第4回

学芸員冥利につきる

展覧会を終えて、その総括というか、感じたことを聞かせてください

 

展示に関しては、もともとのプランからの

想像をはるかに超えたものとなりました。

何故だか、準備の時はモノクロのイメージしか思い浮かばなかったのです。

このようなことは、今まで経験したことがなかったのですが。

ギャラリーA (写真下)は、アトリエで育まれている

生き生きとした波動を伝えるようなものにしたかったのですが、

7月23日(非公開)と8月の第1週、9月9日(ともに公開)に

実施していただいた会場での制作が素晴らしく、

そこで誕生した作品の数々が、

展示の「骨格」を成す、重要な要素となりました。

 

 

 

作品がよくみえる時、それはそのものがもつ本来の力によります。

どんなに頑張っても、ない面を引き出すことはできません。

しかし、そうでない時はすべて扱う人間の責任だと思います。

優れた作品であっても、「見え方」というのは

さまざまな条件によって、

ネガティヴな方向へと簡単に変わってしまうものなのです。

 

このたびは、作品のセレクションから展示まで、

すべて一任していただきました。

300点以上もの絵画や立体作品をお預かりして、

数ヵ月間、ああでもない、こうでもないと組合せに悩みつつ、

それぞれの素晴らしさを堪能することのできた、

学芸員冥利につきる幸福な準備期間でした。

 

エレマン・プレザンのことをよくご存じの方からすれば、

本展のラインナップから、

志摩、経堂とも、重要な作品が落ちていると感じられたかも知れません。

限られた空間の中で求める効果を得るためには、

思い切った選択をしなければいけないと考えています。

今回、最初から出品点数は出来るだけ絞った方がよいと思っていました。

あれもこれもと欲張ると、主題はきっと曖昧になります。

展覧会の準備は選択の連続です。

少々大げさにいえば、

企画を担う学芸員には、常に勇気が必要です。

 

『読売新聞』の芥川喜好さんから、

「無垢の魂が教えるもの」と題して、本展を次のように評していただきました。

 

「これまでのどんな美術取材とも異なる、

ものごとの根源に触れる感覚にみちた経験」をもたらし、

「会場は奇跡のように明るく、穏やか」で、

「現代に調和と肯定の感覚をもたらす希望のアートがあることを、展覧会は示している」。

(「時の余白に」、『読売新聞』、2014年8月23日朝刊より抜粋)

 

これは、「うおがし銘茶」の展示(2011年)をみたあと

僕自身が感じたことでもあります。

会場を一巡し、開口一番「花園のようだ」と言った人もありました。

 

 

展覧会への総入場者数は24,837人で、

目標にしていた28,800人には届きませんでした。

しかし、数字には決して表れることのない、

みた方の心につよく残るものがあったことを、

今回ほど肌で感じたことはなかったと思っています。

『楽園としての芸術』展

 

会期:2014年7月26日(土) ~ 10月8日(水)

 

会場:東京都美術館(上野) ギャラリーA・B・C

 

主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)

後援:朝日新聞社

協力:レモン画翠、ターナー色彩株式会社

展覧会に関すること:東京都美術館 事業係 TEL:03-3823-6921

取材・広報に関すること:東京都美術館 広報担当 TEL:03-3823-6921

 

合同会社 エレマンの気まぐれ商店

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