第2回

学芸員が心を砕いてやるべきこと

ー今の中原さんのお仕事の仕方に至ったのはいつですか?ー

 

東京都庭園美術館(港区白金台)での学芸員としての経験が

大きかったと思います。

庭園美術館というのは

旧朝香宮邸(昭和8年竣工)のとても魅力的な建物なんですね。

どんな巡回展をしても

庭園美術館でやるのが私見ではいつも一番よかったんです。

そこにすごく喜びを感じました。

ようするに同じ作品でも

どのように見せるか、あるいは「背景」がどう違うかによって

意味が大きく変わってくるのだ、ということを痛感したのです。

これはいわゆる「展示デザイナー」の仕事の領域でもあるのですけれど、

僕としては、常に学芸員が考えるべきことだと思いました。

学芸員としての本質的な喜びに

触れることだと確信したのです。

 

ー展示デザイナーという職業の方はどこの美術館にもいらっしゃるのですか?ー

 

いえ、展示会場をつくる設営会社に所属していらっしゃいます。

で、その方達と学芸員が二人三脚で

作り上げるということもあるのです。

繰り返しになりますが、僕はその展示に大きな、

情熱を感じています。

論文を上手に仕上げることよりもずっと。

展覧会というのは見るものでしょ?

なのに、論文を一生懸命書いて、

あとはデザイナーさんよろしく頼みます

っていうのは、もったいない。

学芸員が一番に心を砕いてやるべきことは、

まさにそこなんじゃないかなと。

 

 

 

 

 

 

ー「楽園としての芸術」展の企画をたてようと思った経緯を教えてくださいー

 

東京都美術館リニューアル(2012年)の準備に際して

都から言われたんです。

『膨大な都費を使って、新しくなりました、

さぁ再出発です、

なんて軽々しくいえない規模である。

ミッションから組み立て直せ』と。

 

それで、新しい時代にふさわしい、

美術館像というのを考える、

という宿題がでたんです。

そこで、生まれたミッションが

「新しい価値観に触れ、自己を見つめ、世界との絆を深める<創造と共生の場所>を築きます」

というものでした。

 

言葉としては美しいけど、

具体的に何をするつもりなのか分からないと

色んな人から指摘されました。

これは早い時期に展覧会としても

あるかたちを示さなければいけないなと思いました。

「楽園としての芸術」展は、

アトリエ・エレマン・プレザンと鹿児島のしょうぶ学園という

ふたつのアトリエを採り上げさせて頂いた結果、

新しいミッションを最大限に活かせ

例示できたのではないかと思っています。

『楽園としての芸術』展

 

会期:2014年7月26日(土) ~ 10月8日(水)

 

会場:東京都美術館(上野) ギャラリーA・B・C

 

 

主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)

後援:朝日新聞社

協力:レモン画翠、ターナー色彩株式会社

 

合同会社 エレマンの気まぐれ商店

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